ニュース

本校の教員が茅野市の4中学校で授業を行いました

「茅野市中学校高等学校授業者交流」の一環で、本校の教員が茅野市の永明中学校、長峰中学校、東部中学校、北部中学校で授業を行いました。本校の教員は理科、数学、英語の各教科について、中学生が興味・関心を持うことを主眼とし、それぞれの教科の特性を活かした様々な手法と実験や視聴覚機器等を利用した生徒参加型の授業を展開しました。各中学校の生徒の取り組み方も大変よく、有意義な授業となりました。


(1) 2009年2月16日(月) 3・4校時(10:45~11:35、11:45~12:35)
授業者:小口 隆秀
中学校・学年:東部中学校 3年
教科:理科
タイトル:水素エネルギー
授業内容:水素を使った燃料電池を作成する。



授業のテーマを「水素エネルギー」として、エネルギー源として水素の様々な使い方を知ることをねらいとしました。具体的には、水素を燃焼させたときの熱エネルギーと、触媒を使って化学的に酸素と水素を反応させることによって電気エネルギーを得ることを実験を通して確認しました。
まず、水素を試験管に入れて点火すると「キュ」という音を出して爆発します。中学校ではすでに実験したことだったため、点火する前に予想を聞くとすぐに答えが返ってきました。
次に、パラジウムをメッキした金網を試験管に詰めて水中に浸し、酸素と水素を1:2の体積比になるように加えました。水上置換の要領で水素と酸素を入れると、徐々に試験管内の水面が上がり、気体が減っていることがわかります。ここで何が起こっているか質問すると、水素と酸素が反応して水になって体積が減っているという意見が返ってきました。こうして、パラジウムが水素と酸素の反応の触媒の働きをすることを確認しました。
そして授業の本題になる燃料電池の製作に移りました。触媒であるパラジウムメッキした金網を2枚用意し、その間に水酸化ナトリウム溶液を浸みこませたろ紙を挟み、最後に両側からゴムパッキンとアクリル板で挟むと燃料電池の完成です。触媒の電極同士が内部で触れてしまうと電流が得られないため、慎重に重ねて作りました。この燃料電池セルは、本校の科学部で以前から実験していたものを中学生実験用に改良したものです。
組み立てた燃料電池に、片側から空気、もう一方から水素を導入しました。水素は、別の試験管にアルミホイルを丸めて入れてそこに水酸化ナトリウム溶液を加えることで発生させ、ゴムチューブで燃料電池に導きました。水素が発生し始めてからしばらくすると、燃料電池の2枚の電極につないだソーラーモーターが回転し始めました。簡単な装置に水素を入れるだけで電流を取り出せることを見て、面白く思った生徒も多かったようです。あちこちで歓声が聞こえました。起電力を測定すると、0.7V ~0.9Vでした。
残念ながら2つの班ではモーターは回転しませんでした。そのうち1つの班は起電力が0.4V程度だったため、電圧が弱くてモーターが回転しなかったことがわかりましたが、もう1つの班は起電力が0だったため、どうやら内部で電極が接触してしまったようです。
片付けを終えた後の少しの時間で燃料電池の仕組みを考えました。水素がパラジウム触媒上で水素イオンと電子に分かれ、水素イオンは電解液と反応し、電子は外部回路を通って電流になることを模型を使って説明しました。このことは中学校の学習の範囲を超えているため、詳しくは高校の化学で勉強してほしいと、高校の授業の予告をして終えました。
授業を通して、ほとんどの生徒が手際よく実験に取り組み、質問にも積極的に答えてくれたことが印象的でした。新しいものを興味をもって見ている様子が感じられて、とても楽しい新鮮な授業をすることができました。授業までの準備は実習助手の松下先生にも手伝ってもらって大変でしたが、私自身大いに勉強になりました。茅野東部中学の皆さん、ありがとうございました。


(2) 2月17日(火) 3校時(10:40~11:30)
授業者:山本 尚弘
中学校・学年:長峰中学校 3年
教科:理科
タイトル:磁石による発電
授業内容: ぶんぶんコマに磁石をつけ、コイル周辺でコマをまわし、電磁誘導により発電する。



「電磁誘導」をテーマとして、動力が電気に変わることを理解することを目的としました。その手段として、動力として「ぶんぶんゴマ」を使用し、発行ダイオード(LED)を発光させる装置を作製し、実験を行いました。
はじめにモーターを用いて、モーターに電気を与えると回転運動し、逆にモーターに回転運動を与えると電気が発生することを確認し、電磁誘導について説明しました。
次に実験セット作製の説明をしました。ぶんぶんゴマに磁石を張り付け、発光ダイオードにコイルを接続する装置の見本を見せたところ、ほとんどの生徒がぶんぶんゴマを見るのが初めてのようであり、物珍しそうに眺めていました。
そして2人で1つの装置の作製に入りました。どの生徒も協力し合い、楽しそうに作製していました。早い班で20分、ほとんどの班は30分で完成しました。完成した班が早速ぶんぶんゴマを回そうとしましたが、初めてであり、なかなかうまく回すことができず四苦八苦していましたが、すぐにコツをつかみ、上手に回すことができるようになりました。そして、回転させているぶんぶんゴマをコイルにゆっくりと近づけていき、発光ダイオードがついた瞬間、生徒も思わず歓声を上げました。そして次々と各班完成し、発光ダイオードが光ると嬉しそうに何回も何回も光らせていました。そして、生徒の中には、コイルに近いほど、またぶんぶんゴマの回転が速いほど明るく光ることに気づき、ぶんぶんゴマを必死に回している生徒も見られました。
最後に、静電誘導により動力が電気に変わる原理を利用し、身の回りの動力で実際に電気に変えている例や私が考えている発電システムを話し、簡単に電気を発電させることはでき、みんなも身の回りの動力を発見し、実用化できる装置を考えてみてほしいという話しをして、授業を終えました。
私の授業の感想としては、生徒がとても意欲的に取り組み、実験が成功した時の笑顔が目に焼き付いています。また、生徒の感想の中に私の発案した発電システムについての改良案を書いてくれた生徒もおり、私の話にもとても熱心に耳を傾けてくれて感謝しております。長峰中学校のみなさん、ありがとうございました。


(3) 2月18日(水) 5校時(13:35~14:25)
授業者:新津 雅仁
中学校・学年:永明中学校 2年
教科:数学
タイトル:連続する自然数の和の不思議
授業内容:数についての話や連続する自然数の和に関して考える。



【授業の流れ】
指導内容 生徒の学習内容 補足・指導上の留意点
本時の授業について(10分)
  (1)自然数
(2)自然数の和

(1) 自然数について
自然数;1,2,3,4,5,・・
単位数;1
素数 ;2,3,5,7,・・
合成数;2×2,2×3,・・・
(2) 自然数を連続する自然数の和で表すことの説明
3=1+2,7=3+4
12=3+4+5
本時の目標
「1000を連続自然数の和で表す。」
自然数を自然数の和で表すことの説明。
できない場合もありうることを知らせておく。
規則性の発見
 
(35分)  
  (1)
奇数はどうしてできるのか?
連続する2自然数の和は奇数であることを知る。
  奇数の中で,1通りしかできない数はどんな数か?
複数通りできる数はどんな数か?
素数について知る。
  (2) 偶数
    どんな数ができないのか
どうしてできないのか?
  表を作って発表させるなかで、ある自然数が連続自然数の和で表されたとき,1通りしかできない場合と複数通りできる場合について,そこに潜む数理について推測し,他の数について実験させる。


  (4) 本時のテーマ「1000を連続自然数の和で表す。」について,求め方の方針を考えさせ、その方針の基づいて解かせ,方針の正しかったことを確認する。
ワークシートを使って1~50
までの自然数を連続する自然数の和で表してみよう。
1.気がついたことをまとめてみよう。
(1) 奇数はどうしてできるのか?
1通りしかできない数はどんな数なのか?
複数通りできる数はどんな数か?
(2) 偶数
どんな数ができないのか
どうしてできないのか?

ある自然数が連続自然数の和で表されたとき,1通りですか?
1通りの数を発表させる。
複数通りの数を発表させる。
1通りしかできない数・・・「12=1×12,2×6,3×4」と表すことができるがこの中で連続する自然数の和になるのは3×4の場合。

同様に「20=1×20,2×10,4×5」と表すことができるがこの中で連続する自然数の和になるのは4×5の場合。

複数通りできる数・・・「18=1×18,2×9,3×6」と表すことができるがこの中で連続する自然数の和になるのは2×9,3×6の場合。

同様に「30=1×30,2×15,3×10,5×6」と表すことができるがこの中で連続する自然数の和になるのは2×15,3×10,5×6の場合。

ここで、偶数×偶数,偶数×奇数で分けることができることに気がつく。

同様に「42」「50」についてもやってみよう。
(4) 1000を連続自然数の和で表す。
求め方の方針を考えさせ、その方針に基づいて解かせ,方針の正しかったことを確認する。

ワークシートの配布。
判別作業
1~50までの奇数について連続自然数の和の表を作成複数通りできる数があることを知らせる。
発表
ワークシートP2の空欄を埋める。素数について触れる。 素数は1通り
合成数=素数×素数

1~50までの偶数について
連続自然数の和の表を作成
複数通りできる数があることを知らせる。
発表

「1通りしかできない数」「複数通りできる数」についてどのような考え方であるか、また求め方の特徴は何であるかを生徒に確認させ,発表させる。

本時のテーマ「1000を連続自然数の和で表す。」について,求め方の方針を考えさせ、その方針に基づいて解かせ,方針の正しかったことを確認する。



最大ポイントの「偶数×奇数」の個数だけ連続する自然数の和に表すことができることに気付かせたい。


余裕のある生徒には「840」について何通りの表し方があるか考えさせる。
まとめ(5分)
数学的知識の活用
新たな数の性質を見出す時,今までに習ったことや,場合分け,具体化などをしてじっくり考えることが必要なことを知らせる。
 

【生徒の反応】
  楽しそうに取り組んでいました。「数学の授業が毎回こういう風に楽しかったらいいのになぁ」という声も聞こえてきました。
  テーマが生徒たちにとってもとっつきやすく、それぞれが自分なりの方法を考えながら取り組んでいました。ただ、時間的な制約があったため、ついていけない生徒も一部いたようです。

【授業参観した本校数学科教員の意見】
  テーマの選択もよく子供たちが興味を持って取り組める内容であった。
  奥深いテーマであるが内容を厳選し、よく取捨選択してあった。
  「e-黒板アシスタント」の使用もよかった。最初使った際には「おお~~!」「すげ~~!」という驚きの声が聞こえた。
  高校生対象にもぜひやってもらいたい内容であったが、その際には一つの数字について詳しく分析することにより、法則性を見出させるなど違ったアプローチもできそうで試してみたいと思った。
  生徒の取り組みは大変良かったので、80分位の授業時間があれば、更に達成感を味わえたのではないかと感じた。時間の制約が残念であった。
  中学校の先生方も生徒に交じって楽しそうに取り組んでいたようである。
  終了後、3年生に対して授業をしてみたいということでデータを渡すなど、とてもよい交流になったのではないだろうか。
  奥深い内容を中学2年生に分かる内容に工夫し、これだけ多くの子供たちを引き込んだ授業をされた先生のこの授業にかけた時間と努力には頭が下がる思いです。

(4) 2月26日(木) 5校時(13:35~14:25)
授業者:太田 蓮花、スティーブン(ALT)
中学校・学年:北部中学校 中学3年
教科:英語
タイトル:旅行に必要な英語
授業内容: 交通手段を使って旅行する時に必要な英語表現(道案内等)をマスターする。



3年生の選択英語クラスで授業を行いました。ALT(Assistant of Language Teacher)の先生とのティームティーチングで旅行に必要な英会話をテーマにしました。公共交通機関を使って、どのように目的地まで行くかを尋ねることが出来る、人に聞かれたら案内出来るということを目標に授業を行いました。初めにALTの先生の母国での話や、アメリカの州を書くゲームなどでウォーミングアップし、その後ALTの先生が岡谷にはどう行ったらいいか、秋葉原にはどう行くかを生徒に尋ねました。どのように教えていいか分からない生徒に道案内の表現を紹介し、実際にALTの先生に教えてあげました。その後、ペアになって目的地へどう行くか尋ねる、そして教えてあげるという活動を英語で行いました。
16名の生徒は全て英語の授業に慣れていない印象でしたが、やるべき事が分かると一生懸命に取り組んでくれました。ALTの先生は生徒のリスニング力が高いことに驚いていました。生徒は話す活動にも積極的に取り組んでおり、最後にクラスの皆の前で成果を発表してくれました。またこのような機会があれば、英語の授業をさせて頂きたいと思います。